相続問題の法律Q&A

遺言書は自分で勝手に書いても成立しますか?

遺言の作成方法には主に
①自分が手書きで作成する「自筆証書遺言」
②公証役場で公証人に作成してもらう「公正証書遺言」の二つがあります。

ご質問は「自分で書いた」というものですので、①の自筆証書遺言として有効に成立します。

ただし、遺言の作成に関するルールは法律(民法)で厳格に定められており、作成された遺言がそのルールに従ったものでない場合、最悪「無効」とされてしまうおそれがあります。

手書きで遺言を作成される場合でも事前に弁護士など専門家に相談されることをお勧めします。

当事務所でも遺言の作成についてのご相談も承っておりますので、
お気軽にお問い合わせください。

遺言の作成方法には主に
①自分が手書きで作成する
「自筆証書遺言」
②公証役場で公証人に作成してもらう
「公正証書遺言」の二つがあります。

ご質問は「自分で書いた」というものですので、①の自筆証書遺言として有効に成立します。

ただし、遺言の作成に関するルールは法律(民法)で厳格に定められており、作成された遺言がそのルールに従ったものでない場合、最悪「無効」とされてしまうおそれがあります。

手書きで遺言を作成される場合でも事前に弁護士など専門家に相談されることをお勧めします。

当事務所でも遺言の作成についてのご相談も承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。

遺言についてはこちら

財産が少ないので、遺言書は書かなくてもいいですか?

いいえ、遺言書は書いた方が賢明です。

財産の多い少ないにかかわらず、相続というものが発生すれば、相続人たちは、必ず大なり小なりの相続問題という厄介な事柄にさらされます。更に言えば、遺族間同士のトラブルで収まるとは限らないのが現状です。

大切なご家族を争族にさせないために、遺言書の作成をおすすめいたします。

遺言について詳しくはこちら

「遺産分割協議」とは?
  1. 遺産分割に関する相続人同士の話し合いです(民法907条1項)。
    相続人「全員」で、「誰が」、「何(どの相続財産)を」、「いくら(どの程度)」相続するか、という話し合いを意味します。
     
  2. 法律上は、「次条(民法908条)の規定により被相続人が遺言で禁じた場合を除き、いつでも」遺産分割協議ができると定められています。
    (1)民法908条は、「…相続開始の時から5年を超えない期間を定めて、遺産の分割を禁ずることができる。」と定めています。この法律により、被相続人は、例えば事業の継続などで必要場合、遺言で、5年を超えない期間であれば相続人に対し、遺産分割を禁止することができます。
    (2)逆に言えば、遺言で禁止されていない場合、相続人全員の話し合いで、遺言と異なる遺産の分割をすることもできる、ということになります。
    (3)また、遺言がない場合、相続人が遺産を受け取るためには、遺産分割協議をする必要があります。
     
  3. 遺産分割協議は、
    (1)相続開始後、原則としていつでも可能です。
      (例外として、先に説明した民法908条など。)
    (2)方法は、対面でも書面のやり取りでも可能です。
       ただし、協議がまとまれば書面(遺産分割協議書)を作成しましょう。
    (3)話し合いは、多数決ではなく、相続人全員で合意する必要があります。
       つまり、相続人の一人でも話し合いに納得しなければ、遺産分割協議はまとまらない(解決しない)ということです。
    (4)遺産分割協議がまとまらなければ「裁判手続き」を取る、つまり家庭裁判所に対し遺産分割の「調停」又は「審判」を求めることになります(民法907条2項)。

遺産分割の流れについてはこちら

「法定相続分」とは?
  1. 法律(民法)で定められた、相続人が有する相続分の割合のことです(民法900条)。
    つまり、相続人のうち、誰が、どの程度の割合(〇分の○)で相続財産を受取れるか、ということを定めたものです。
  2. 被相続人が、遺言書で相続分を指定しなかった場合に適用されます(参照条文:民法902条)。
  3. この点、民法900条で定められた法定相続分は次のとおりです。
    ・子及び配偶者(夫又は妻)が相続人の場合
     …各2分の1(同条1号)

    ・配偶者及び直系尊属(被相続人の父母など)が相続人の場合 
     …配偶者は3分の2、直系尊属は3分の1(同条2号)

    ・配偶者及び兄弟姉妹が相続人の場合
     …配偶者は4分の3、兄弟姉妹は4分の1(同条3号)
    ・子、直系尊属及び兄弟姉妹が複数人いるときは、各自の相続分は同じです(同条4号)。
      (例)夫が死亡し、妻及び子2名が相続人の場合の法定相続分:
          ・妻 …2分の1
          ・子 …それぞれ2分の1×2分の1=4分の1
    ・ただし、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹がいる場合、その法定相続分は父母の双方を同じくする兄弟姉妹の2分の1です(同条4号ただし書き)。

  4. もっとも、あくまで相続分の「割合」だけ定めたものですので、実際に、相続人の誰が、どの相続財産を、どの程度相続するか、ということは「遺産分割協議」で決めることになります(民法907条)。
遺言書を残すことのメリットは?

法定相続人同士の争いを避けることができます

遺言書を残す一番のメリットと言っても過言ではないでしょう。
遺言書を残すことで、相続手続きにおいて法定相続人同士の争いを最低限に抑えることができます。

相続が発生した場合、相続人全員の合意のうえで手続きを進める必要があります。遺産は現金だけでなく、不動産や株式であったり、ひとつひとつ性質が違う財産をいかに分配していくか、話し合いながら円満に決めていくこと自体、非常に難しいものです。

遺言書で、相続人の誰に何をどの割合で相続させるか決めることで、遺産分割協議も不要になります。

「相続」と「遺贈」は違うのですか?

”似て非なるもの”というのが正しいでしょうか。

相続」とは、亡くなられた方(被相続人)の財産(相続財産)を遺された方(相続人)が受け継ぐことを意味します。

その方法として法的には主に、被相続人の意思に基づく「遺言」と相続人間の話し合いなどによる「遺産分割(協議)」があります。

他方、「遺贈」とは被相続人が遺言により相続財産を贈与するものです。

一見すると遺言による相続と同じように思われますが「遺贈」は受け取る方(受贈者)が相続人に限られません
つまり、相続人以外の方(個人でも法人でも)への「遺贈」も可能であり、その意味で相続とは「非なるもの」と言えます。

相続についてはこちら

相続についてはこちら

遺言書の内容を変えたくなったらどうしたらいいですか?

新しい遺言書を作成することで変更ができます。

民法1022条は「遺言者は、いつでも、遺言の方式に従って、その遺言の全部又は一部を撤回することができる」と規定しています。また、1023条1項では「前の遺言が後の遺言と抵触するときは、その抵触する部分については、後の遺言で前の遺言を撤回したものとみなす」と規定しています。

したがって、「前に作った遺言書の内容を撤回(あるいは変更)する」という内容の遺言書や、前に作った遺言書と相反する内容の遺言書を新しく作ることで、前に作った遺言書の内容を変更することが可能です。

遺言書についてはこちら

認知症と診断された後でも遺言書を作ることができますか?

作成できる場合があります。

遺言書を作成することのできる能力『遺言能力』について民法961条は「15歳に達した者は、遺言をすることができる」と定めています。

通常の法律行為を行うためには成年=20歳になっていることが求められます。したがって、遺言書の作成は、通常の法律行為より低い程度の判断能力でも行えるということになります。

また、裁判上、遺言能力は、「遺言事項を具体的に決定し、その効果を理解するのに必要な能力」などとされています。そして、そういった能力が残っていれば、認知症との診断がなされていても、遺言能力が認められた事例もあります。

もっとも、認知症が重度に進行していた場合には、遺言能力が否定されることもあります。

具体的な事案において遺言書が作成できるかどうかの判断にあたっては、弁護士や公証人、医師などにご相談ください。

遺言書についてはこちら

法律相談のお問合せ