交通事故の法律Q&A
- 交通事故の相談に行きたいのですが、必要な書類はありますか?
交通事故相談を希望される方から、お尋ねされることの多い質問です。
これに対し、つい「事故に関係すると思われる書類は、全部お持ちください。」と回答してしまうのですが、考えてみると分かりにくいですよね・・・?
ただ、必要な書類や相談者の方がお持ちする書類は、
- 交通事故の加害者なのか被害者なのか
- お車など「物的損害」に関する相談なのか、お怪我などの「人的損害」に関するものなのか
- 相手方との交渉がどこまで進んでいるのか、あるいは既に裁判になっているのか
などの事情により異なります。
つまり、「ケース・バイ・ケース」なのです。
ですから、一概には言えないのですが、先ほどの言葉に続けて、「例えば〇〇(書面の名前)はお持ちでしょうか。」などとお尋ねして、お持ちの書類・ご持参頂きたい書類を確認するように努めています。
ちなみに、私どもが交通事故事件のご依頼をお受けしたときに確認する書面の種類について、例を挙げると次のとおりです。
事故の内容に関するもの
- 交通事故証明書
- 物件事故報告書 ※物件事故のみで、お怪我等がない場合
- 実況見分調書その他刑事記録(人身事故、つまり事故の当事者がお怪我等されている場合)など
物損(車両損害)に関するもの
- 車検証
- 車両(の損傷を撮影した)画像
- 修理費用見積書
- 車両損害調査報告書(車両)確報(保険会社が対応している事案)
- 車両査定書 ※全損扱いの場合
- レッカー費用に関するし書類 ※自走不可の場合
- 代車費用に関する書類(有償代車使用の場合)など
人損(お怪我等の場合)に関するもの
- 診断書
- 診療報酬明細書
- カルテ・画像等 ※傷病等について精査する場合
- 休業損害証明書・給与明細書 ※給与取得者の場合
- 所得証明書申告書(直近1年以上)※事業者の場合
- 後遺障害診断書 など
- 専業主婦でも休業損害は請求できますか?
結論的には、いわゆる「家事従事者」として、交通事故による受傷のため家事労働ができなかった期間について休業損害として請求できるとした最高裁判例があり、実務上も認められています。
1日当たりの金額は、例えば自賠責保険では5,700円です。
休業日数については、最初のご説明のとおり「受傷により(現実に)家事労働ができなかった」日数ですが、自賠責保険の場合、「家事労働ができなかった」ことを示す資料の問題等があるため、通院実日数で算定するのが通例です。
時々、「加害者側の(任意)保険会社から『専業主婦の方は収入源がないので休業損害は支払えません。』と言われた。」との相談を受けることがありますが、請求可能ですし、相手方が払わない場合、自賠責保険の「被害者請求」を利用することも考えられます。
- 交通事故に遭いました。どうすれば良いですか?
まず、警察に110番通報しましょう。
必ず警察には通報してください。
本来、加害者に報告の義務が生じるのですが、加害者の方が動揺されているため警察へ連絡するのを忘れている場合もあります。警察に届け出ていない場合「事故証明書」が発行されませんので、後々の保険の手続きがスムーズに進まないケースがあります。
事故車両が交通の妨げとなっていて、警察が来る前に、事故車両を移動しなければならない場合は、事故状況を撮影して(携帯のカメラ機能で充分です)おきましょう。
警察が来る間に
- 加害者の確認をする
- 車のナンバーを控える
- 加害者の名前などを聞く
- 自宅や携帯の電話番号を聞く
- 加害者の車の自賠責保険、任意保険の保険会社を聞く
できれば、運転免許証を見せてもらい、住所、名前、生年月日を控えるのが確実ですが、実際にはなかなか難しいかもしれません。
自分が入っている任意保険の保険会社にも連絡が必要です。自分の保険から保険金が出ることもありますし、賠償の話しがこじれたときには、自分の保険に弁護士特約がついている場合は弁護士費用が保険から出ることになります。