コラム1~「○○に強い弁護士」とは~

「こたけひまわり法律事務所」を開設して、早くも3か月が経過しました。

少し落ち着いてきたので、「コラム」の掲載を始めることに。

皆さまへの情報発信のほか、日々思うこと、感じることなどをつらつらと書き連ねていこうかな、と考えています。

そういう訳で、お時間のある時にお読みいただければ幸いです。

さて、第1回は「○○に強い弁護士」というテーマで。

「何が専門ですか。」、「○○に強いですか。」

一番多いお尋ねと言っても過言ではないかもしれません。いや、さすがに言い過ぎか…。

法律事務所のサイトをみても、「○○に強い」などというフレーズをよく見かけるようになりました。

しかし、「専門」というのは分かるのですが、「○○に強い」というとき、その基準は果たして何でしょうか…? 

また、「強さ」というのは、その一方で「弱い」存在がある、そういう意味で比較対象するものがあって初めて成り立つものだと思うのです。

では、その比較対象は何か。「普通の弁護士」、あるいは「その他の弁護士」? しかし、「普通の弁護士」、「その他の弁護士」って、誰でしょう…?そもそも、「普通」の基準って…?

このように考えると、「○○に強い」というのは、言葉通りの「強弱」ではなく、「専門」、あるいは、専門とまで言えなくとも「知識」、「経験」の豊富さを言い換えた表現ではないかと思うのです。

しかし、今度は、どの程度の「知識」や「経験」が豊富であれば「強い」と言えるのか、その基準は何か…という疑問が湧いてきます。弁護士会で特に基準を設けていませんので…。

ここまで来ると、「○○に強い」と言っても、実は目に見えるような客観的基準はなく、個々の弁護士・法律事務所が、「○○に自信がある」と思うに至ったとき、その「自信」を「強い」という言葉で表現しているに過ぎないように思います。

さて、そうしますと、相談者の方は、その「強さ」をどこ判断すれば良いのか分からなくなってしまいます。そこで、Webサイトなどで情報を収集することになるのですが、目に見える情報だけで「強さ」(知識・経験の豊富さ)が客観的に判断できるかというと、どうでしょう…?

…などと考えていくと、どうして良いのか分からなくなりそうです。

では、仮に私が、弁護士に相談したい事柄がある場合、どのようにして弁護士を選ぶのか。

結論的には、「その弁護士が信頼できるか。」という視点が最も重要だと思うのです。

相談の多くは、相談者にとって重要な事柄であり、弁護士に対し、家庭、あるいは企業の内情、あるいは自身の問題点や「恥ずかしい」と思うことなどを説明しなければならない場合も少なくありません。

また、直ぐに解決できる事件であれば良いですが、多くは解決までに時間を要しますし、その間、何度も弁護士と打合せをし、コミュニケーションを図らなければなりません。

当然、弁護料(弁護士費用)もかかります。

このように自身の内部をさらけ出し、さらに時間やお金もかけるのですから、「この人に任せたい。」「この人に任せてダメだったら仕方がない。」と納得できるような弁護士に依頼したいのが人情です。

そこで私は、知識・経験だけでなく、人柄なども踏まえて、「信頼」できる弁護士に依頼したいなぁ、と思うのです。

そうすると、結局は「人と人との関係」ですから、目で見て得られる情報だけでなく、実際に話してみないと分からない、ということになります。

…という訳で、弁護士に事件をご依頼されるときは、もちろん情報収集も大切ですが、弁護士と話(相談)をした上で、「信頼」できるかどうかを判断された方が良いかもしれません。

また余裕があれば、お悩みを抱える前に、「かかりつけの医師」のように「かかりつけの弁護士」(顧問契約)を見つけられると、良いかもしれません。

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弁護士 小山 明輝